賃貸で住んでいる分譲マンションを買う!?
先日、お客様から賃貸中の分譲マンションがとても気に入ったので購入したいとの相談がありました。
賃貸で住んでいるマンションを買うことができるのでしょうか?
結論から申しますと、賃貸オーナーに売却の意思があれば、購入可能です。
今日は、賃貸中の分譲マンションを購入したお客様のお話しです。
お客様からのご相談内容
現在、お住いになっているマンションは3年程前から借りている物件。
住環境や物件の間取・住宅設備が気に入り、また、仕事柄転勤がないこともあり、この物件に今後も長期的に住み続けたいとのご希望があり、オーナーに売却の意思があるか確認して欲しいとのことでした。
(数か月後に賃貸契約の更新を迎え、それが検討する契機の一つになったようです)
《現行賃貸条件》
月額家賃:155,000円(管理・共益費込み)
駐車場費: 8,000円
敷 金:月額家賃の2か月分(310,000円)
退去時のクリーニング費:80,000円
物件オーナーはOK。だが、売買価格をどうするか?
賃貸中の物件が気に入り、購入を希望する賃借人は稀におりますが、難しいのは値決めです。
買主(賃借人)からすると、何年も家賃を払ってきたのだから安くしてくれるだろうという思惑がある一方で、売主としては1円でも高く売りたいと思うのは道理。ましてや、その時点で売主側の住宅ローン残があるのが通常で「売却価格<住宅ローン残」となるような条件では、よほどの事情がない限り成立しません。
この辺りの個別の事情を排除し、買主、売主にとって最も合理的な売買価格はやはり“相場”となります。
分譲マンションは、マンション個々に(かなり明確な)相場が形成されておりますので、その相場に沿って値決めをされるのが一般的です(肉親間や近親間での売買は除く)。
今回のケースでも相場を基準に値決めしました(売主の好意により相場より低く決まりました)。
ただ、お客様の希望は、購入後の月々の負担(ローン返済含む)が現行家賃を下回ることでした。
【シミュレーション】購入VS現行賃貸
本物件は築13年の中古分譲マンションとなります。
お客様の希望により住宅ローン期間30年とし、購入後のシミュレーションを作りました。
ここで注意する点は、購入した場合、賃貸時と比べて以下の費用が新たに発生することです。
・月々の管理費・修繕積立金(本件の場合:月23,600円)
・毎年発生する固定資産税等(本件の場合:年125,000円)
上記を考慮すると概算で以下のシミュレーションになりました。
シミュレーションの結果としては、購入の方が月2万円程の負担軽減となります。
勿論、住宅ローン期間が変われば、結果も変わりますし、購入後のメンテナンス費用等は買主負担となりますので、単純な比較は難しいところではあります。
しかし、本件に関してお客様は購入した方が得策と判断し、購入に至っています。
賃貸中の物件を購入するメリット
本件に関してはお客様にとってのメリットは、
・現行賃貸より購入した方が月々の負担が軽減する(月2万円程)
・賃貸契約の敷金(310,000円)が全額返却、又、退去時清掃費用がかからない。
・そのまま住み続けるので、引越し費用不要・お子様の学区変更もない。
・免許証やカード等の様々な住所変更手続きの煩わしさがない。
等々細かいものも含めて多くありますが、
最大のメリットは物件購入後の“こんなはずじゃなかった”ということが無いという点ではないでしょうか。
一般的にお住い購入を検討される上で躊躇されるのは、住宅ローンの存在もさることながら購入後に後悔しないだろうかという“不安”だと思います。
既に何年も暮らした物件の場合、むしろオーナーより物件良し悪しや近隣環境を熟知しております。
購入後もこれまでと何ら変わることなく住み続けるわけですから、購入に関する安心感は非常に高いですよね。
今回のケースでは賃貸中の分譲マンションでしたが、賃貸中の戸建でも同じことが言えます(勿論、賃貸用アパートや賃貸用マンションの場合は購入できませんが)。
もし、今、気に入った分譲マンションや戸建にお住いで今後も長く住みたいとお考えの方がおりましたら、購入も選択肢の一つとして検討されてみては如何でしょうか。
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