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2019年11月24日
ブログ

次世代の不動産賃貸サービス!? OYOLIFEをご存じですか?

OYOLIFE という不動産賃貸サービスをご存じでしょうか?
詳細は後述しますが、スマホ一つでお部屋探しから入居手続きを完了させ、身一つで部屋に入居するだけで暮らしのすべてが揃っている賃貸サービスです。
実は、弊社で管理している物件の空室をOYO側に提供(賃貸)することになりました。
サービス内容を調べるとなかなか面白い仕組みでお部屋を探している方にとっても、オーナーさんにとっても参考になるお話だと思います。

OYOLIFEとは

インドの大手ホテル会社OYO(世界2位のホテルチェーン)とYahooが合弁で作った賃貸サービスです。今年の3月頃より東京を中心にサービスを開始、現在では大阪、京都、名古屋地区にもエリアを広げており、5,000室以上の規模になっているようです。
お部屋はアパートやマンションの1室を借り、サブリースの形態で提供します。
不動産賃貸業は立地産業、装置産業と言われますが、1室単位でサブリースを行うことで立地リスクの分散、投資負担の軽減を実現し、実に合理的な方法です。
事業を行う側から見ると、通常の賃貸やホテルと異なる点はこのリスク分散にあると思います。

※場所によっては1棟借りも行っているようです。

OYOLIFEのサービス内容

サービスのコンセプトは「旅するように暮らす」でスマホからホテルを予約する感覚で、簡単にお部屋を借りられます。その上、初期費用は0円家賃と共益費には電気・ガス・水道・Wi-Fiなどの生活インフラコストが含まれており、家具家電付きのお部屋においては身一つで新生活をおくることができるわけです。
通常の賃貸と異なる部分は以下の通りです。
(1) (入居期間が90日未満)スマホで契約手続きまで完了できる。※
(2) 敷金・礼金・仲介手数料はなし。
(3) 電気・水道などの公共料金手続きが不要(費用は共益費に含む)
(4) 家賃(共益費含む)を1か月分先に支払うため基本的に入居審査がない。
(5) 支払いはクレジットカードのみ

これだけ見ると理想的な賃貸システムに見えますが、問題は家賃(+共益費)の設定。
OYOと賃貸契約を締結した弊社の管理物件のケースでは「大家さん⇔OYO」の家賃とOYOの提供する家賃(+共益費)の差額は4万円程(サブリース鞘分)でした。次章ではこの設定金額を検証してみたいと思います。



※OYOでは入居期間を30日~90日程度と考えているようです。
これは1カ月未満の利用が旅館業法に抵触しかねないためということと、90日を超えると、法律上「一時使用目的の建物賃貸借」と認定されないリスクがあるからのようです(このため、90日を超える場合は書面で定期借家契約を締結する必要があるようです)。

OYOLIFEサービスの経済性

弊社の管理物件についてOYOのHPを確認しますと家具家電付きのお部屋になっておりました。加えて、電気、ガス、水道の光熱費及び退去時の清掃費用は共益費に含まれます。
一人ぐらしの光熱費を月1万円、Wifi費用は月3,000円と仮定します。また、家具家電を70,000円とします。
ザックリと試算しますと、以下のとおりです。

つまり、10か月以内であればOYOサービスを利用した方が経済的と言えると思います。
一方、近隣のビジネスホテルを見てみますと1泊5,000円ぐらいです。
OYO家賃(共益費含)95,000円÷1泊5,000円とすると20日以上留まる場合はビジネスホテルではなくOYOの方が経済的という結論になります。
長期出張者、建築関係の方、旅行者には有益な賃貸サービスだと思います。

大家さんからみたOYOLIFE

OYOLIFEのターゲット層からしては賃借人を奪い合う競合相手にはなりえません
大家さんからするとOYOへの部屋提供(サブリース)は空室対策の選択肢になるのではないでしょうか?
弊社のケースではOYOとの賃貸契約は一般的な賃貸契約書を使用しており、敷金、礼金もしっかり頂いております。入居者の管理(クレーム対応等)はOYOのコールセンターが対応しますので管理会社の負担も軽減します。
ただ、入居者が短期間で変わることで色々な人が出入りすることになりますので、騒音やゴミの問題等懸念すべき点もあります(その辺りは賃貸契約書の特約でしっかり管理するよう念を押しています)。
また、OYOもビジネスである以上、採算性の悪い物件はシビアに判断(退去)を下してくると思いますので短期解約の可能性は否めません。この辺りを含めてご検討すべきだと思います。

OYOのビジネスモデルが与える賃貸業界への影響

OYOLIFEのサービスは“ホテル以上一般賃貸未満”です。ニッチなマーケットでITと資金力を背景に一気にデファクトスタンダードを握ってしまうという戦略に見えます。
サブリースとすることで“自ら貸主”の立場となり宅建業法から外れ(重説不要)、契約手続きのIT化を実現。お客様目線で見ても工夫が随所に見られ感心する部分もあります。

しかしながら、このビジネスモデルが急速に普及するのか課題は残ります。やはり、入居希望期間が1か月から1年程の需要がどれほどあるのか懐疑的な面も否めません。今後、この辺りの潜在的な需要を如何に掘り起こしていくが問われます。

ただ、OYOのビジネスの認知度が上がればITによる契約手続きの利便性は注目されます。それが賃貸業界におけるIT化を促進させる切っ掛けになるかもしれません。
不動産業界はいまだに“FAX”が幅を利かせているアナログな世界です。IT化が急速に普及すれば、ITスキルや投資負担の面で取り残される不動産業者は結構いるのではないでしょうか。


「不動産業界のAMAZON」と言われるOYOが賃貸業界にどのような影響を及ぼすのか今後も見ていきたいと思います。

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