子供の頃のお正月①
映画「ALWAYS 三丁目の夕日」をご覧になった方いらっしゃいますか?。
ほのぼのとした良い映画でしたよね・・・。私の子供の頃さながらの映画でした。
「そうそう!、あんな風だった!。」映画を観ながら、何度口にしたことか・・。
私は九州出身です。男尊女卑が色濃く残る地域です。例えば、食事は父親が席に着かないと食べる事は出来ませんでした。お風呂も勿論父親が最初、そして男性陣、それから女性陣と続き、一番最後が母親。洗濯物も一番上が男物の干し物、女物は一番下と言うように、決まりがありました。子供の頃はそれが当たり前でしたし、それが普通だと思っていました。これはさておきまして・・・。
早く来い来い、お正月
今では考えられないかもしれませんが、洋服や色んなものを買ってもらえるのは、お盆とお正月という決まりみたいなものがありました。兄姉が多かった私は、結構お下がりが多く、新しく買ってもらえるのは少なかったように思います。それでも、お正月は真新しい下着や、服を身につけて、お正月を全身で喜んだ記憶があります。なんだかんだと言っても、末っ子という事で他の兄姉よりは得した部分がいっぱいありました。
お正月の準備
お正月を迎えるにあたり、色々な準備がありました。お正月飾りは、12月30日まで。
29日の飾りは、二重に苦しむと言って嫌われ
31日の飾りは、一夜飾りと言って、気持ちに余裕がなく飾る事として嫌われました。
門に飾るしめ飾りは、ウラジロ(裏が白いシダの葉)・昆布・葉付きみかん・紙垂(白い紙でヒラヒラしたもの)をつけて父が毎年作っていました(結構器用な父でした)。このしめ飾りは、ほとんどの家の門とか玄関に飾るのですが、お正月の三が日の間に、その家の人に見られず取ってくると,いい一年になると言われていて、子供たちは全神経をそこにつぎ込んでいたようです。取りに行く子供、見張りをする子供、結構スリルがありました(笑)。
庭を真っ白に!
年末になると、父達は、山に白い砂を取りに行きます。軽トラックいっぱいに取ってきて
庭の片隅に積んで置き、12月の31日の夕方から庭に撒きます。雪が降ったようにスコップで散らしながら撒きます。夜遅くに箒で綺麗に掃き清めます。除夜の鐘が鳴る中、初詣に行く時は、月夜に真っ白に浮かび上がる白砂の庭をサクッサクッと踏みしめて、お参りに行くのです。「ああ・・、新しい年が来るんだなって。」身の引き締まる思いとでもいうのでしょうか、子供心に厳かな気持ちになっていました。
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