人生いろいろ
都内の不動産会社で働いていた時、新入社員で入ってきた男性(22~23才)がいました。当時、店長をしていましたので色々教える事もあり、気を配っていました。物腰が柔らかく、とても気配りの出来る子(親子ほど年が離れているので、自分の息子のような気がしていました。)で頭の良い子でした。多分「おばあちゃん子」か、ご両親の躾が良いのだろうなと思っていたら、祖父母・両親・弟と自分の6人家族との事。ほのぼのとした家族の様子が見てとれるようでした。
もう一押しができない・・
一人で賃貸のお客様の対応が出来る様になり、本人も頑張っていたのですが、もう一押しと言うところで契約まで至らないのです。あと少しなのに、他の業者で契約されたり、見ていてもどかしい所が多々ありましたし、なにより営業ですから成績が伸びないと「お叱り」を受けるし、お給料やボーナスにも反映されます。いつも落ち込んでいました。
うつ病?
ある日、様子がおかしいのに気づき「今日、帰りに居酒屋行ってみない?。」って誘うとついてきてくれました。元気のなさについては一言も話さず、たわいのない話で盛り上がって楽しく過ごしました。帰り間際に「うつ病」だと聞かされ、通院し薬を飲んでるとの事。自分がそういう状況にあるのがどうして解ったのか不思議だったようですが、自分の事を理解してくれる人がいると思ったのでしょう、少しは元気になってくれたので、ほっとしました。(勿論、成り行きは、後日社長に報告・他の社員は知らず)
何回か二人飲み会をして、今の仕事の事、何をやりたいのか、今のままでいいのか等を話をしました。本人は不動産会社が自分に向いてないのではと考え始めていたようです。折角、取得した取引士の資格を何とか生かしたいと考えていたのだと思います。
面白かったのは、まったく想像できない一面を見せてくれました。大のパチンコ好き。色んなパチンコ屋さんの会員(?)になり、それぞれのお店を研究し、データーを取り、休みには楽しんでいる様でした。と言っても、ひと月に使う金額は決めていて、決してそれ以上使わない。その範囲内で遊ぶのが彼の流儀だとか。結構貯金もしていたようです。儲かった次の日は朝から元気に出社。
目がキラキラ(^^♪
「今日は僕の奢りです!!」とvサイン!
(もちろん! 何回か、ごちそうになりました。)
夢へ向かって
ある日、webデザイナーに興味がずっとあったという話をしてくれました。宅建の資格を持ち、不動産会社で働くのは、生活の基盤を作りたかったようですが、いくら頑張ってみても自分には向いてないような気がする。やっぱり、webデザイナーになりたいのだと熱く語ってくれました。前よりも明るくなって、意欲がわいてきているように見られました。その後、自分の夢に向かって、会社を辞めていきました。退社後5~6年は時々連絡を取っていましたが、今も頑張ってくれていると信じています。
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