2020年04月17日
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タダでもいらない家?(その②)
空き家が増える住宅団地
若い世代にとって住みにくい場所は町の世代交代が進みません。相続がおきても相続人の息子や娘は既に別の所で家を購入していますので空き家となります。ご存じの通り日本の税制では更地より住宅が建っている宅地の方が固定資産税が安いので必然的に空き家が増えます。
管理されている空き家であれば問題ありませんが、放置されている空き家は劣化が加速度的に進みます。
その住宅団地を見渡すと雑草の生い茂った空き地、放置されている空き家が所々にあり、荒涼とした風景が広がっておりました。
手がかかる不動産は売れない
この住宅団地では中古物件が売れないわけではありません。適切に管理されていた中古戸建であれば売れます。ただし、購入するのはその住宅団地に住む方の関係者が中心で年配な方が多いようです。10年、15年住めれば良いと考える方も多く、築古の家でも売れるようです。リフォーム費用が多くかかる中古の戸建は売れません。費用をかけずに住むことが出来ることが前提条件なわけです。
家を対象とした「ババ抜き」!?
前回の冒頭の話に戻りますが、その不動産会社に相談された物件は長年放置されていた空き家でした。家として利用することは出来ないほど傷んでいたようで、土地のみでは売れないし、新築住宅では売れにくいので「タダでもいらない」と断ったと不動産会社社長は言っておりました。
地方の過疎化の激しい町ではこのような話も聞いておりましたが、東京都心から40Km圏内でもこのような話が出てきたことに正直衝撃を受けました。
それでも今は状態の良い中古戸建は売れているようですが、
「5年、10年先は買い手がもっと少なくなる。そうなるとババ抜きだね」
とポツリと呟いた不動産会社社長の言葉になんとも言えない寂しさを感じました。
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