幕張本郷の不動産社長経験156)不動産売買の面白さ、辛さ(バブル時物件最後の処理完了①)
バブル弾けて金融機関の不動産業者への融資停止
平成3年度の帳簿上利益が1億円強となり5月決算なので平成4年5月末までに利益の圧縮処理しないと約5000万円強の税金を7月末までに税務署に支払いしければなりません、帳簿上は利益が上がっていても通帳には1000万円位しか残高が有りませんでした。取引のある金融機関に融資を申し込みましたがことごとくお断りされてしまいました。支店長に直談判してみましたが本部がOK出さないので無理の一点張りでした。
5000万円強の税金を滞納すると延滞金だけで年約700万円強になります、元利合計約5700万円になります。12カ月分納で払う約束すると月々約475万円の支払いになります。売買物件が動いている時は何とかなるのですが、ほぼ物件が動かない状況下では毎月の会社経費分も含めるととても返済できる状況では有りませんでした。
多額の税金延滞は延滞金が14%以上ですので会社倒産の危機です
バブルの最中は金融機関の融資合戦でしたが、「バブルが弾けると手の平を返すように今度は早く返済してくれの大合唱が始まりました」貸しはがしの始まりです。
とにかく目先の税金を払う資金の目途が全然立たないので、手持ち物件の売却損を出しても利益調整するしか他に手は有りませんでした。土地、戸建て、マンション、事業用物件等全ての社有物件を洗い出してみました。
何も手を打たなければ会社倒産の危機でした。地方税(固定資産税など)は元金さえ納付すれば延滞税は多少値引きしてくれるところも有りますが「国税だけは法の公平を保つ為の大義名分で絶対値引きしません」、税金を払わないと(払えないと)延滞税も増えていき倒産する事に成ります。相続税も同じです。
簿価が9500万円抵当権が4000万円の物件
簿価が9500万円で抵当権が4000万円しか設定されていない事業物件的を絞りました、4000万円で売買する事にして5500万円を損失を出すことにしました、そして利益は5000万円弱に減らす事が出来ました。その他の物件も原価処分して諸経費だけ損失出すようにして利益を2000万円弱に抑えたと記憶しています。そうすると税金も1000万円弱となり半分の500万円を現金で支払い残り500万円弱は分割で支払う事にしても大したことないのでそうすることに決めました。
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