【幕張本郷の不動産社長経験20】バブル崩壊後⑥
地方都市物件住専からの借り入れ
殆どの金融機関は不動産向け融資は大手企業以外はほぼ出なくなっていたので、各信託銀行、都市銀行がそれぞれ住宅専門不動産会社融資用に作った会社から迂回融資をしていました。当社が4階建てワンルームマンションを建築確認付きで再販した時に融資を受けた金融機関の系列住専に地方都市の物件融資を依頼しました。しかし、一旦は都市銀行の支店が無い事を理由に断られましたが、2~3日過ぎたら担当者から連絡有り、前回の残りの土地50坪を担保に入れれば融資OKと返事がきました。
話はとんとん拍子に進む
都市銀行の支店がないエリアの物件は担保にとってもしょうがないから、千葉の50坪さえ担保提供すれば融資する事とになり融資と同時に50坪のみに抵当権を設定しました。地方都市の方の物件は区画整理地内で12m×12m+両側に歩道2mが付いている公道角地から2軒目の土地でした間口が35m位有り奥行は12m位で、しかも道路の反対側は地元では人気のスーパーが営業していました。
最初はカラオケ店経営予定
事業計画は最初カラオケ店建築、駐車場もかなり取れるので採算合うと考えていました。現地に行きカラオケ店10数件調査をした結果、供給過剰の状態で中には飲食物の持込可の自由度の高い店舗まであり、これから新たにオープンしても採算合わないと判断してカラオケ店経営は断念しました。
3区画分譲に切り替える
敷地の中に2階建ての建物も有りました。この建物について隣の人が欲しいと言っていると当社に仲介した地元の業者から打診が有りました。こちらは解体するつもりでいたので「自分で建物を曳家にしてやるなら無料でOK」と返事を出したところ、隣の人が曳家をして自分の敷地に移動していきました。こうして全体が更地となりました。最初からカラオケ店だめなら分割で売却を考えていたので、当社に仲介した地元業者の協力で2区画販売完了して販売金額は担保取られていなかったので全額会社運転資金として使えたのでかなり助かった。
最後の1区画金融機関に見つかる
3区画の最後の1区画を契約して決済日迄1ヶ月と迫っていたある日金融機関の担当者がぶらっと来社する、例の地方都市の物件新しい謄本取って住専に郵送して欲しいと言ってきた、謄本取ればすぐばれるので実はもう2/3は売却してしまったと云うと、そうかそれではその金は返金して下さいというので、もう運転資金に使って手元にありませんと答えると、顔色がサーと変わって残りはどうなっているの?と聞かれ売却済みで決済も1ケ月後ですと答えると、それでは3区画目の手付金をまずすぐ返してくださいと言って来るがこれも使って手元にないと答えると、それでは決済金を全額返金下さいと言って来る。
住専も金融機関も信用出来ない
決済金は支払い予定も有るし、今更担保も要らないと最初は言っておきながら返金してくれは無いでしょう、担保物件を売ってお返ししますので本部にそのように伝えて下さい。と言って帰ってもらう。2日ご部長と担当者2人で来社して、全額➡2/3は絶対返金して貰わないとすぐ抵当権設定するとすごんでくる、そんなことしたら当社は資金ショートしてしまうと、1時間位押したり引いたりしていたが1/2返済なら資金繰りは何とかするしかないと当社で妥協案を出す。本部と連絡取りOKが出る、しかし「あの当時の金融機関は金融庁の指示、本部の指示を理由に約束を簡単に破る」事は他業者からも聞いていたので、3区画目の決済金の1/2の返済で了解する書類に社判と丸印押印して来社くださいと要望する。
社判丸印押印の返済合意書類
返済合意書類に社判、丸印押印して当社に来社原本置いて帰りました、一応ひと安心?したが決済5日前になったら1/2+500万円返済しないとだめになったと言って来る、やはり又来たかと思い再度折衝して結果は決済金1/2+200万円で手を打たざるをえなかった。決済日は新幹線で行き、住専担当者は駅からタクシーで地方銀行迄来て決済終わるまで待たせておいて本部着金確認後すぐ又タクシーで逃げるように帰って行った。
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