幕張本郷の不動産社長経験231)不動産売買の面白さ、難しさ【東京での営業時のこぼれ話】借地権売買
「借地権売買」お寺、神社が地主の場合
借地権は地域によって多い地区と少ない地区が有ります。今回はJR総武中央線の高円寺駅周辺の売買の時の話です、高円寺(お寺)が地主の中古借地権売買の時でした。
借地権中古でしたので所有権から比べると4割ぐらい安かったので、所有権買う予算は無いが駅から10分以内が条件のお客様にお見せした所気に入ったので売買の話を進めておりました。
売買の契約の日取りを決めましょうという段階になったら、親からもお金を出して貰う関係で地方に住む親に借地権の売買だと言ったところ反対されて、「借地権を買うならお金は出さない」と言われ買主の資金計画が狂い契約には至りませんでした。
その後高円寺地区にお住まいの賃貸住宅居住中お客様で成約になりました、親の代から高円寺周辺に住んでおり「お寺が(高円寺)地主なら将来揉め事も無いだろう」と判断して心配しておらず契約条項の内容も納得してスムースに契約➡引き渡し迄終わる事が出来ました。
借地権に関しては育った環境と、親や親戚、友人等が借地権の物件に住んでいるとあまり拒否反応や違和感が無くなる傾向に有ります。しかし揉め事を見たり、聞いたりしている人は必要以上に拒否反応を示す人もいます。
ポイントは「住みたい場所で予算も格安ならOK」の人はじっくり所有権と借地権の違いを検討、納得した上でどちらを選ぶか最終的に判断して決めれば良いと思っています。
借地権の概要
借地権の存続期間(旧法) 借地期間は非堅固な建物所有が目的:20年以上(契約上の定めのない場合30年) 堅固な建物所有を目的:30年以上(契約上の定めがない場合60年) 【借地権更新期間も上記と同じ】
新借地借家法(新法)平成4年8月1日施行[施工前に設定された借地契約は旧法適用] 新法の借地契約期間は一律30年、当事者によりこれより長い期間を定めればその期間、最初の更新は20年、その後は一律10年(当事者がそれより長い期間定めた時はその期間)
【新法
1、最初の借地契約期間満了前 *借地人が残存期間を超えて存続すべき建物を築造した時➡建物築造について地主の承諾が有る場合ぬ限り、借地権は承諾の有った日又は建物の築造された日のいずれか早い日から20年間存続する事に成る(借地借家法7条1項) *借地人が残存期間を超えて存続する建物を新たに築造する事を通知した場合に地主がその通知を受けてから2ヶ月以内に異議を述べなかった時は承諾した物とみなされる(借地借家法7条2項)
2、更新後 *借地人は土地賃貸借契約の解約を申し入れる事が出来る(借地借家法8条1項) *地主の承諾を得ない残存期間を超えて存続すべき建物を築造した場合、地主は土地賃貸借契約の解約を申し入れることが出来る(借地借家法8条2項) *解約申し入れの有った日より3ヶ月経過後に借地権消滅(借地借家法8条3項)
「借地権売買」は所有権売買と違う点は①地代を払わなければならない(借地期間中)②借地権売却の時は地主の承諾を得なければならない③建て替えや増、改築時は地主の承諾を得なければならない④建物用途変更(住居を店舗に変更等)⑤転貸(第3者に貸す時)の時は地主の承諾を得なければならない、等の制約が有る事が大きな違いです。
借地権の場合➡民間の地主の場合は借地権売買に絡み①地代の大幅値上げ要求②新築に建て替え時の承諾料請求額が高すぎ③増改築の不許可④転貸時の承諾料請求等で揉める事が有ります。全国的に前項①~⑤に関して地主との話し合いがスムースにいかず裁判沙汰になる事も有り借地権に対するアレルギーが強い人もいます。(千葉銀行と千葉信用金庫は借地権の住宅ローンは不可で基本的に取り扱いしません)
所有権の場合は
所有権の場合:上記①~⑤の制約は有りません、①の地代の代わりに固定資産税、都市計画税は支払う事に成りますがそれ以外は、「1、自分で住める。2、自分の考えで何時でも好きに売買できる。3、好きな様に建て替え出来る。3、好きな様に増改築出来る。4、貸す事も自由(全部、又は1部を)等、所有権の場合法令違反が無い時には個人の考えのまま利用、売買が可能です。
*所有権の場合は建物を建てる時、建ぺい率、容積率等法令に違反しない、又反社会的勢力関連に売買しない事が条件になりますがそれ以外は自由に利用、売買が出来ます。
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