大健闘!?令和3年の千葉県公示地価
先日、国土交通省より令和3年の公示地価が発表されました。
既にニュース等でご存じの方も多いと思いますが、全国平均がマイナス0.5%(全用途)と6年ぶりに下落に転じています。
昨年1年間はコロナ禍により経済活動が収縮しましたので「ああ、やっぱり」といった感じですが、地域別に見ていくと違った風景も見えてきます。
公示地価とは
国土交通省土地鑑定委員会が、毎年1月1日時点における標準地(約26,000地点)の正常な価格を3月に公示するものです。各標準値の正常な価格を公示することで①一般の土地売買における目安、或いは②相続税路線価、固定資産評価額の基準や不動産鑑定の指標とし、適正な地価形成に寄与することを目的としています。
具体的には一つの標準値に対して2名の不動産鑑定士が別々に算出するようになっており、前年の取引事例(令和3年の公示地価は令和2年の取引事例)や土地からの収益見通し等を分析して評価します。
1年前の取引事例が反映されていますので実勢価格に近い価格と考えてよいかと思います(地域や時期によっては乖離が生じることがあります)。
令和3年 全国地価公示の特徴
●全国平均では・・・
住宅地は5年ぶりに下落(-0.4%)
商業地は7年ぶりに下落(-0.8%)。
●三大都市圏(東京、大阪、名古屋)では・・・
商業地はいずれも8年ぶりの下落 東京圏 -1.0% 大阪 圏 -1.8% 名古屋圏 -1.7%
住宅地は 東京圏が8年ぶりに下落(-0.5%) 大阪圏が7年ぶりに下落(-0.7%) 名古屋圏は9年ぶりに下落(-1.1%)
※東京圏は東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県の一都三県を指します。
コロナ感染症拡大の影響で訪日客の需要が消失、国内需要も大きく減少し、店舗・ホテルを中心とした商業地の地価が大きく下落。
そしてそれに引きずられる形で住宅地も下落したといった構図だと思います。
下落した地点の中では-28%(大阪、道頓堀)と大きく下落した地域もあり、コロナ禍の影響に驚きます。
全国総じて軟調になっている地価ですが、軽井沢や白馬村等の別荘地では根強く上昇する等、テレワークによる移住やセカンドハウスとして新たな需要が形成されていることも注目に値する変化です。
千葉県の公示地価
一方、千葉県の公示地価を見てみます。
以下は関東圏の地価の推移ですが、関東では唯一千葉県のみ住宅地・商業地共に前年比プラスを達成しています。 (全国47都道府県の中で商業地、住宅地ともに前年度を上回っているのは千葉県を含め6県のみ)
商業地の意外な強さには驚きましたが、住宅地についてはコロナ禍により家探しの尺度が“通勤アクセス”よりも“居住性”や“ワークスペースの確保”に変わってきたことによるものではないかと感じます。
実際、住宅の需要は旺盛で弊社のお客様でもリモートワークになったことで東京(マンション)からこちらにお住まい(戸建)を変える(若しくは希望する)方が多くいらっしゃいました。
この傾向は一過性か否か判断の難しいところですが、過去の過剰な東京一極集中の揺り戻しが起きていると考えられます。
次回はさらにミクロの視点に立って弊社事務所のある千葉市花見川区の公示地価を見てみます。
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