【幕張本郷の不動産社長経験38】民事信託事例(余命1ヶ月)
昨年「6月初旬義兄(妻の兄)が病院より膵臓癌末期で余命1ヶ月の宣告を受ける、義姉妹たちの要望により本人には医師より余命1年と伝える」。私がそれ以前に義兄に会った時は5年位前義母の葬儀の時でしたが体重95~100㎏強は有る体格でした。余命宣告後妻と義兄の見舞いに病院に行きましたが体重が半分以下の40㎏台になっており私は最初見た時は義兄と分かりませんでした、妻は兄弟なので別人の様に変わっていてもすぐに分かりましたが。
オリンピック迄生きたい
病室のベットに横たわり寝ていると、骨と皮に少し肉がついているだけで首の血管だけが異常に浮き出ている状況が思い出されます。本人は医師に余命1年位と言われているが、体力付けて息子とオリンピックを見に行けるかな?なんて冗談とも本音とも取れる願望をつぶやいていました。自閉症で施設に入所している息子の誕生日が7月、自分の誕生日も8月に控えているので7月と8月は施設から息子を我が家に連れて来て一緒に過ごす事を楽しみに当面の目標は体力を付けようと「食事も食べたくない、食べれない」のを多少無理しても食べれるだけは食べようと努力していました。
民事信託の勧め
余命の問題も有り民事信託を早く進めておいた方が良いと義兄に妻から言わせていたので、義兄も自身の体力の衰弱の件も有りすぐ千葉の公証役場に妻と3人で出かけて公証人と打ち合わせして、後日内容を確認し公正証書を作成しました。
信託条項登記
公正証書に基づいて委託者所有不動産に信託条項の登記を司法書士に委任して完了させました。信託条項登記した時点で受託者は信託条項の範囲内であれば委託者に代わり色々な行為が出来る様になる。
委託者死亡とお墓
膵臓末期癌だったことも有りますが、医師から1ヶ月の余命宣告が3ケ月間に伸びて息子と本人の誕生日を息子と2人で自宅で過ごす事が出来た。約1か月後の9月末に霊山へと旅立ちました。通夜、告別式も妻の喪主で無事終わり49日も過ぎました。お墓はどうしようかと相談の結果、委託者息子も一生施設での生活になるので、お墓を買って墓石建てても息子が死亡後は誰も墓守をする人がいなくなるし、管理料を払わなくなればすぐ合祀されてしまい墓石は撤去されてしまいます。自宅庭に愛犬2匹の遺骨が壺のまま埋めてあったので一緒に埋葬出来る処を探しました、結果は「樹木葬でペットも入れる処」に決まりました、12月末頃息子も施設から許可をもらい連れて来て立ち合いで樹木葬を行いました。
委託者自宅売却
委託者の財産は自宅だけでしたので、葬儀費用、お墓の購入、埋葬費用等の件も有り、又息子が戻って生活することは自閉症の症状が重く不能な事、自宅からかなり離れていて管理が大変な事などを総合的に判断して売却する事にしました。建物内の荷物の処分等終わり近所に挨拶周りをしていたら、息子が通っていた3軒隣の幼稚園で駐車場が足りないので土地を探していると聞きました。挨拶に行きましたら是非譲って欲しいと言われ、息子が通っていた幼稚園が買主なら委託者も喜ぶでしょうとの思い、受託者の妻と相談して売却することに決まました。
自宅処分後
委託者との信託条件に基づき売買代金は、今まで掛かった費用と売買にかかった費用を差し引き、受託者の新規郵便口座に残金を入金しており、息子が何か費用が必要になった時に引き出して使えるように管理しています。
民事信託をやっていなかったら
もし今回のケースで民事信託の手続きをしていなっかったら、委託者が死亡してからでは相続の手続き一つ取っても判断能力のない自閉症の息子(18歳)1人が相続人ですので後見人選びから始まって何一つやるにも制約があり、手間暇や時間がかかり葬儀からお墓の件も含めて大変な思いを息子を始め兄弟がしなければならなかった事は疑いの余地は有りません。
民事信託の相談
民事信託の件は資産が多かったり、守らなければならない先祖代々の資産やお墓が有る人は、今有る資産をどう守るか、活用するか、処分したり、組み換えして最善の方法を模索する時期が来ていると思っております。当社は全力で相談者の要望に応えるべく各専門士業のネットワークを使い相談に乗りますので、気軽に連絡後来社お待ちしております。
樹木葬の1例
今回の樹木葬:約80家族分位有る区画で、地面より70㎝高い墓地面に芝生が張って有り直径25~30cm位の円筒で深さが50~60cm位有る中に本人と愛犬の骨を布に包み入れ埋め込みました、最後に円筒に蓋をして芝生を乗せると墓全体が芝生で覆われます、円筒の底の蓋はないので地面に直に布が接します、個人差はありますが25~30年過ぎると骨が溶けて土に帰ります。
樹木葬の良い処は最初にお金を払えば(樹木葬のお墓に入る人数により価格は違う、ペットが入る時は1匹2万円位?場所により違うので確認要)永代供養してくれて①管理費0円②墓所に建っている合同墓碑に氏名刻印(今回は親子並べて)③将来も合祀はしない
今回は2名用(息子が死亡した時も入れる場所確保)でペットも入いれて、永代供養料含む、墓碑2名刻印で合計で65万円位でした(通路側の1番手前箇所)、参考のための金額で墓所の立地や埋葬内容により価格は違いますので確認が必要です。
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