【建築を知ろう!!】家ができるまで(その②)
前回は地盤調査について触れましたが、調査結果次第では地盤改良工事を行います。
その上で地業工事を行います。
【2】地盤改良工事
地盤改良工事は主に以下の通りです。
① 表層改良法・・・
地盤軟弱部分が地表から2m以下の場合に行われる工事です。表層部の軟弱地盤部分を掘削し、セメント(強固材)と土を混合攪拌し地表付近を固めることで地盤の強度を高めます。
② 柱状改良法・・・
軟弱部分が地表から2m~8mに存在する場合に行われる工事です。
強固な地盤(支持層)までコンクリートの柱を何本も注入して地盤を強固にします。
③ 鋼管杭工法・・・
鋼管で地中から建物を支える地盤改良工事で地表から30m程度まで地盤補強が可能です。
柱状改良工法と同じ要領で、コンクリートの柱の代わりに鋼管を使用します。
以上の地盤改良工事を必要に応じて行います。
地盤改良工事が終わると次は地業工事です。
【3】地業工事
さて、ここから建築工事に入ります。
家の建築は基礎から作っていきますが、いきなり基礎工事を始めるわけではありません。
建物がのる土台である基礎が平らではないと家は傾きます。
家の基礎を作るためにまず初めにやることは“遣り方”をかけることです。
“遣り方”と言われても何のことかわらないですよね。
“やりかた”と読みます。基礎の水平線を設定するため、必要な個所に杭を打った仮設物を指し、建築物(柱や壁)の位置・高さ・水平の基準となる非常に重要な工程になります。
家の建築現場でこのような光景をみたことはありませんか?
これが遣り方です。施工順序は、
① 水杭を立てる
水平を測定する機器(オートレベル)で水杭に基準となる高さに印をつける。
② 水杭に水貫をつける
水杭に記された基準値に合わせるよう地表から一定の高さに水平に設置。
③ 遣り方が動かないように筋交い貫をつける。
④ 水糸(水平に張る細い糸)を張って施工位置・高さの基準とします。
水糸は建物の壁の中心線となるものです。
敷地境界線・道路境界線と水糸の距離を測り、図面と合っていることを確認しながら進めます。
基礎工事の前の地業工事
遣り方が完了しましたら基礎工事の前に以下の施工を行います。
1. 根伐り(掘り方・掘削)・・・
基礎を作るために地盤を掘削する作業。パワーショベルといった重機で基礎の底となる高さまで土を掘ります。
2. 割栗石や砕石の敷き詰めと転圧・・・
掘削した部分に割栗石を敷き詰め、ランマーで転圧。
基礎の下となる部分の全体に砕石を敷き詰め、こちらも転圧。
3. 防湿シートの敷き詰め・・・
基礎の底盤部分を覆うように敷いていきます。これは、地面からあがる湿気を防ぐためのものです
4. 捨てコンクリートの打設・・・
建物の躯体には影響を及ぼすものではなく、基礎工事を始める前に地面をコンクリートで水平に均して基礎梁や型枠の位置をマーキング(墨出し)するために打設するコンクリートです
添付の写真は検見川5丁目にある新築現場のもので、9月13日に撮影したものです。
実際の現場は上棟に入っておりますが、ブログの更新が遅くリアルタイムのレポートではなくなってきています(^_^;)。
次回は基礎工事についてご報告します。
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