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2019年06月12日
ブログ

【幕張本郷の不動産社長経験1】「現金300万円持ち帰る」

不動産の売買仲介業務は、“契約を締結する”までに労力(時間・コスト)の大半を使います。物件の調査から買主/売主間の条件折衝、重要事項説明書、売買契約書等の書類を整備し、並行して関係者間の契約日の日程調整等を行います。売買契約日直前が最も忙しく、契約を無事終えるとホッと安堵します。


契約、決済(物件引き渡し)を終えると、我々不動産会社はお客様から仲介手数料を頂き、それまでの労力が報われるわけです。


それ故に我々不動産会社にとって契約前のキャンセルは直前であればあるほど落胆は大きいものです。過去、契約前のキャンセルは何度かありましたが、中でも特に印象に残っているのが、契約当日のキャンセルでした。

気になっていた建物内の空気感覚

40代の男性が結婚後の新居を探しておりました。希望エリアの物件を何件か案内し、その中で気に入った物件に購入申込書を提示。

売主側の業者に購入申込書を提示、売主より承諾を得たので、そのまま契約日時の調整を行いました。その際、売主側の業者は物件に関することを何も言っておりませんでした。
しかし、買主本人の心の中で何か違和感があったようです。

気のせいかな...?

契約日当日午後7時頃、売主側の業者事務所にて重要事項説明書、契約書の読み合わせが終わり、手付金300万円を支払う段階になると、買主はなかなか現金の束を渡そうとしませんでした。

「どうしたの?」と買主に確認してみましたら私と2人で話がしたいと言います。そこで、外に出て確認したところ、「売主の売却理由が聞きたい」と言ってきました。

今回は見合わせて頂きます

契約場所の事務所に戻り売主に売却理由を確認したところ、離婚して財産分けするとのことでした。

今の時代、離婚による家の売却は珍しいものではありませんが、理由を聞いた買主は「やはり」とつぶやき、「何となく建物内の雰囲気が暗く、重く感じていた。

その空気感を作り出しているものが何か気になっていたが、ようやくわかりました」と述べ、「契約するつもりで手付金300万円を用意してきたが、これから新生活を始める私たちにとって縁起が悪いので、今回は見合わせて頂きます」と契約当日にまさかのキャンセルとなりました。

宅建業法的に不備はなかったが・・・

自殺や他殺等の事故や事件ではなかったので告知義務には該当せず、勿論、こちらから隠すつもりはありませんでしたが、買主から確認がなかったので契約当日となり弊社としても対応できませんでした。

買主より買付呈示、売主より売渡承諾書交付後であっても、実際は契約書を締結しない限り、拘束力のあるものではありません。今回のケースのように契約締結前であればキャンセルすることは可能です(勿論、道義的な責任は残りますし、場合によっては損害賠償責任が生じる可能性はあります)。


弊社としては決して無理矢理売りつけるというようなことはせず、しっかりとご説明した上で契約を締結頂きたいと思っていますので、どうか契約当日のキャンセルだけはご勘弁ください(笑)。

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