【幕張本郷の不動産社長経験6】地中障害物の話
家を新築するとき、既存家屋を解体するケースは多いです。
この際、解体費用が発生しますが、想定以上に費用が増加する要因の一つに地中障害物が挙げられます。
地中障害物とは地中に埋設しているもの全般を指します。浄化槽や便槽等が多いですが、昔の建物の基礎等、或いは廃材やゴミが埋められている場合もあります。
地中障害物は新たに建築される家屋の基礎の障害になりますし、場合によってはそのままにしておくと地盤が軟弱になることもあります。
そのため、地中障害物は適切に撤去を行う必要がありますが、一般的には売主の負担と責任で行うことになります。実際に、売却後に地中障害物が発見され、トラブルや最悪の場合裁判に発展することもあります。
本日は、弊社が新築する際に発生した地中障害物の事例をお話しします。
地中障害物 事例①
中古解体・土地再販用の土地として仕入れた物件の話です。境界塀が老朽化したブロック塀であったこともありブロック塀を新設することにしました。
ところが、事例①のとおり、視認できたブロック塀の背面に間知ブロックが埋まっていることが発覚しました。加えて、ブロック塀と間知ブロックは下部で接合している状態でした。これは表面的には全くわかりませんでした。
このため、ブロック塀を新設するためには、地中にある間知ブロックを全て撤去する必要があり、この費用で85万円かかることがわかりました。
売買契約上売主には瑕疵担保責任がありましたので、地中障害物(間知ブロック)は瑕疵(物件の欠陥)に該当するため、売主の負担と責任で撤去するように要請しました。当該売買契約は大手住販会社が仲介しておりましたので、大手住販会社と交渉したところ、過去に何度か取引のある大手住販会社より泣きつかれ、最終的に売主65万円、買主(弊社)が20万円の負担となりました。
地中障害物 事例②
新築住宅用の土地として築35~40年程の戸建が立っている物件を仕入れた時のお話です。
更地にするため解体業者に依頼しましたが、解体途中に解体業者から「中基礎の下からコンクリート杭が多数出てきた」との報を受け、全部撤去するよう指示し、自らも現地に行って写真を撮りつつ、様子を確認しました。コンクリート杭は直径10~15cm、長さ1.5~2m程で30本数本あったと記憶しております(因みに、この撤去費用は40万円程度だったと思います)。
この時も物件の売買契約時に老舗住販会社が仲介となっており、地中障害物は売主負担と明記した契約を交わしていました。
仲介の老舗住販会社を通して売主に杭の撤去費用負担を要請しましたが、最終的には費用の2/3を売主、1/3を買主(弊社)としました。
地中障害物 事例③
建売住宅用の土地として築40年程の戸建が立っている物件を仕入れた時のお話です。この時も解体業者より解体作業途中に「大きなコンクリートが出てきた」との連絡を受け、自らも現地に行って確認しました。地中約1.m程の深さに幅30cm程、長さ3m程のコンクリート床でした。
撤去費用に数万円~10万円程要しましたが、取引のある業者から仕入れた物件でもあり、弊社で費用を負担しました。
弊社の場合、事業用地として仕入れている物件であり、最終的に販売する物件であることから想定外の費用も吸収できる余地があります。
しかしながら、一般の方の場合、金額的にも負担の大きい支出となると思います。
地中にあるだけに想定することも予想することも難しいと思いますが、不動産売買は事後にも費用を負担する可能性もあるということをご留意頂ければと思います。
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