人は見かけによらぬもの
東京の不動産会社で働いていた時の話です。
ある日、店頭に結構年配のお客様(男性)がお見えになりました。
担当したのは若い女性社員。お客様の話をいろいろ聞いていたようですが、
「ご年配なので、何を言われているのか良く解りません、替わってもらえないですか?。」という事で、バトンタッチ。
家を買いたい。
要は、家を買いたいという事でした。詳しくは次の通りです。
・奥様が亡くなって、心配した息子さんが東京に呼び寄せてくれた。
・出身は東北で、家屋敷はたくさんあったが全部処分してきた。
・東京に出てきても、元気なうちは一人で住みたい。
・なるべくなら息子の近くで探したい。
・大きな家はいらない、一人で住めれば良い。
・現金で買うつもりだ。
中古物件を何件か探し、2~3件ご案内しました。
何件か見てみたいとのご要望でしたので、2~3件ご案内しました。その中に社有物件で中古の戸建を買い取り1階をリフォームして売りに出してある物件がありました。
価格は1,500万円。2LDK。
1階は、広いリビング(対面キッチン)と浴室とトイレ。2階は、和室4.5帖と6帖。
お客様は、一目で気に入って下さって、是非買いたいと仰って、手付金だと言って
10万円を預けるといってきかれないので、取り敢えず手付金ではなく、10万円の預り証を発行して、お金を預かりました。翌日朝一番に息子さん御夫婦が大変な剣幕でお見えになりました(こうなるだろうと予測はしていましたが)。「年寄りだと思って、変な家を売りつけるつもりか!。」と。こちらは毛頭そんなつもりはありませんので、「まずは物件をご覧になって下さい。」と、現地へ。車の中でも、不穏な空気が流れていました。
見てビックリ!!
物件を見た息子さん。
「いいんじゃない?!。俺たちが住んでる家よりよっぽど良いや!。親父が死んだら、俺の家になるんだし。良いよ、この家!。」お父さんもニコニコ・・。
1階の広いリビングと対面キッチンを大層気に入って頂き、それから話はとんとん拍子に進んで、めでたく契約成立。勿論一括現金払いです。
会長からは、小さくてなかなか売れなかった家が売れたので、金一封を頂きました。
親身になって。
担当した女性社員は、「私が最後まで担当すれば、良かった・・・。」とガッカリしていました。それはそうですが結果論であって、対応の仕方によっては他の不動産会社に行かれたかもしれませんし、そんな事を考えると親身になって相談に乗るのが一番良いのだと思います。人は外見で判断してはならない、良い教訓になりました。
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