【幕張本郷の不動産社長経験10】事故物件はお買い得!?(その①)
不動産物件の中に“訳アリ物件”とか“事故物件”とか呼ばれるものがあります。
これらの物件は買い手や借り手に心理的に“負”の影響をあたえることから総称して『心理的瑕疵(欠陥)のある物件』と呼ばれることもあります。
ただ、この“心理的瑕疵”は表面的にはわかりませんし、瑕疵の度合いを数値化することもできませんので、明確な定義はありません。
一般的には自殺や他殺、火災による焼死、病死(孤独死)など、人の死に関わる事件・事故が起きた物件を指すことが多いです。
これら心理的瑕疵のある物件(事故物件)は人によって対応が変わります。「絶対に嫌!」と考える人が多いですが、あまり気にしない方もおります。
あるお客様は「今ではほとんどの人が病院で亡くなるけど50~60年前までは大半の人は家で亡くなっていたんだよ」といってほとんど気にしておりませんでした。
勿論、大半の方が心理的に“負”の影響があると感じますので購入や賃貸を避けられます。価格は需給バランスで成立しますので、事故物件は当然、通常物件に比し安く売りに出されます。
弊社でもこのような心理的瑕疵のある物件を扱ったことがあります。
3年間奥様が自宅で供養
20数年前のことですが、屋内で所有者の旦那様が自殺された戸建物件を仕入れる縁がありました。知り合いの業者から「奥様が3年間一人で供養しており、建物の状態も良好であり一度見てくれないか」と依頼がありました。物件を確認するため現地に行って奥様とお会いする機会を得ました。
奥様によると、事故後から現在至る3年間、一日も欠かすことなくお線香をあげて供養してきたそうです。ご主人と過ごした日々を3年間じっくり思い出しながら過ごし、再出発する決意が固まりましたと言っておりました。
ご主人との間に子供がいなかったため、家の売却についてご主人のご両親に相談したところ、快く了解を頂いたとも仰っておりました。
縁があって当社で仕入れ、リフォーム再販
知り合いの業者から当社に話があり、奥様にもお会いし奥様の純粋な一途な思いに心を打たれ、弊社で仕入れることにしました。きれいに使われていた物件でしたので、クロスの張替えのみ行って再販致しました。
当然ながら告知事項ありの物件として販売したわけですが、「事故物件は気にしない」買主様があらわれ無事、売却となりました。価格は正確に記憶しておりませんが、通常相場の3割程低い価格だったと思います。買主様も格安の物件として非常に喜んでいらっしゃいましたし、その後、不吉なことが起きた!・・・ことは全くないと聞いております。
一般の方の事故物件への反応は様々ですが、気にならない方はその価格の安さに満足されます。事故物件は大半が業者が買取り、リフォームしてすぐ居住できる状況になっているケースが多いので買い得ではないかと思います。
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