高齢者の一人暮らし
先日、高齢者の賃貸物件を探しにいらしたお客様がいました。入居をご希望されている方は年齢82才、普段の生活には支障がない程度に動けるとの事。当社としてのご説明は、現在対応できる物件がないと言う事と探すのであれば地域密着型の不動産会社の方が良いかもしれない事をお話しました。なぜなら、大手の某不動産会社では、規定が設けられており「70才以上の一人入居は受けられません。」と言った説明を聞いたことが何件もありましたので。
高齢者の一人暮らしの人数の推移
内閣府の「平成28年高齢者の経済・生活環境に関する調査結果{全体版)」によると、1980年(昭和55年)には、男性が約19万人、女性が約69万人、高齢者人口に占める割合は男性4.3%、女性11.2%でしたが、2010年(平成22年)には男性が約139万人、女性が341万人、高齢者人口に占める割合は男性11.1%、女性20.3%。中でも最も比率が大きいのは、配偶者と死別する確率の高い高齢女性です。さらに、国民の3人に1人が65才以上になると言われている2025年には、男性が約230万人、女性が約470万人、高齢者人口に占める割合は男性14.6%、女性22.6%にまで増加する見込みだそうです。少子化や核家族、高齢化等様々な要因があるのでしょうが、実際に数字で見る事によって、より現実問題として考えてしまいます。
高齢者の働き方
高齢になっても働けるように国や社会が積極的に雇用する動きが出ている様です。厚生労働省の「平成28年《高年齢者の雇用状況》集計結果」によると、2016年(平成28年)における65才以上の常用労働者数は増加傾向にあります。65才の定年制を廃止した企業の数は、従業員31~300人規模の「中小企業」で3,982社(前年より137社増)従業員301人以上規模の「大企業」で82社(全年より17社増)。又66才以上の継続雇用制度を導入した企業の数においては、中小企業で7,147社(前年より633社増)、大企業で297社(前年より52社増)、70才以上まで働ける企業の数は、中小企業で30,275社(前年より2,281社増)、大企業で2,203社(前年より246社増)。
将来を考えると、今以上に、もっと高齢者の活躍できる場を広げて、そして、高齢者の住みやすい社会の環境を整えて欲しいと思わざるを得ません。そういえば、東京に住む私の友達に、昨年こんな話を聞きました。パートで働こうと思い、職安に行ったところ、担当の人に「もう、働かなくていいんじゃない?。若い人に譲ってあげたら?。」と言われたそうです。気分を害して帰ってきたと言ってました。にわかに信じられない話です。
高齢者 一人暮らしへのサポート
先日、賃貸物件をお探しにいらしたお客様ですが、多分他の不動産会社でも、物件はなかなか見つからないと思います。なぜなら、孤独死や認知症など高齢者に伴う問題が多いからです。貸主側にとってはリスクが大きすぎます。すぐ近くに身内の人が住むことにしたとしても、知らず知らずのうちに認知症になっていて、ガスの火を消し忘れたり、鍵をかけ忘れたり、様々な症状が出ていても気が付かなかったらどうでしょう。孤独死に至っては発見が遅れてしまうと、物件自体の入居率にも関係してきます。地域の見守りサービスなどは、出来る事に限度があります。となると、有料老人ホームやサービス付き高齢者向けの住宅を利用するしかないのでしょうか?。わが身を重ねて、つい考えてしまいました。
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