近い将来、不動産需要は単身高齢女性が支える!?②
昨日のブログの続きです。
昨日は直近の世帯構造をみてきましたが、今後、世帯構造はどのように変わってくるのでしょうか。
2040年の世界(近い将来)
ご存じの通り、これからも少子高齢化は進みます。そして、その結果、世帯構造もさらに変容していきます。
国立社会保障人口問題研究所の調査によりますと、現在28.8%の単独世帯の割合は20年後の2040年には39.3%にまで上昇すると予想しており、反対にファミリー世帯は23.3%まで減少すると見ております。
1980年には40%以上を占めていたファミリー世帯は、近い将来マイノリティに転落することになります。
一方で、高齢者世帯はさらに増加していきます。
2040年には“世帯主が65歳以上の世帯”が全世帯の40%を占め、うち“世帯主が75歳以上の世帯”は全世帯の25%を占めるようになります。
また、2040年の全世帯に占める単独世帯の割合は39.3%になりますが、このうち75歳以上の単独世帯は全世帯の10.1%になります。
高齢単独世帯の男女構成比までは出していないようですが、現状の女6.5:男3.5の比率を当てはめると2040年における65歳以上の女性の単独世帯は全世帯の2割ほどになるのではないかと推定できます。
変化する不動産需要
都市と郊外、東京圏と地方圏など地域特性によって不動産需要は変ります。
しかし、程度の差はあれど世帯構造の変化は等しく襲ってきます。
現状と今後の予測を踏まえますと、、近い将来、不動産需要は以下の点において変質してくると推測できます。
① 単独世帯が最も多く、ファミリー世帯はマイノリティ
② 65歳以上の高齢世帯は全世帯の4割
③ 単身高齢者世帯の中では女性の割合が高い(推定6割以上)
ブログタイトルを少々大げさに書きましたが、近い将来、不動産需要を見極める上で単身高齢女性は無視できないということです。
今後の不動産業界
超高齢社会に向けて不動産業界においては介護施設や高齢者施設(サ高住含)の建築や運営に業態を変えてきている企業もありますが、今でも中心となるものはファミリー世帯向けの建売や建築、若者向けの賃貸と言えると思います。
今後の人口動態や世帯構造の変化を考えますと、3LDK、4LDKの物件や都心の狭小賃貸物件、投資効率を重視した3階建て木造アパート等、従来のビジネスモデルが通用しなくなる時が来るような気がします。
どこかのタイミングで考えをあらためる必要があるのかもしれません。
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