築8年で階段崩落?八王子市のアパート事故について
4月17日の午後、東京都八王子市のアパートで2階共用廊下が崩落し、入居されている女性がお亡くなりになるという痛ましい事故がありました。
事故現場となったアパートは築8年だそうです。
なにが原因だったのか
未だ警視庁による捜査が行われておりますが、マスコミ等で漏れ聞くところによると
崩落した階段はアパートの1階と2階をつなぐ外階段の一部だったそうです。
階段の踏み板は金属製であったものの、側桁との接合部分が木製だったようで、その木部の腐食が崩落につながったようです。
色々とおかしい事故
外階段の側桁接合部分が木部だったと聞いて、そのような仕様で建築確認が通るのか疑問でしたが、当該物件の設計を手掛けた設計会社によると設計段階では接合部分も鉄を使用することになっており、木材の使用は想定していなかったとのことです。
今の段階では確定的なことは言えませんが、設計と異なる工事をしていたとなれば建築側に問題があったと考えられます。
さらに、今回の事故が発生する2時間前に階段の一部が落下し、応急処置的に板で補強していたようですが、この対応にも問題があると思います。
責任は誰に
今後も警視庁の捜査が進むにつれ事故の解明が進むと思いますが、
問題は責任が誰にあるのかという点です。
本件の事故は民法717条に工作物責任に該当するものだと思います。
この民法717条は以前もブログ記事でも触れておりますが、仮に事故原因が建築請負業者の手抜き工事や建築ミスであった場合でも(責められるべきは建築請負業者であるものの)、法律上は所有者が被害者に対してその損害を賠償する責任を負うとしております。
従って、今回の事故は無過失責任を負うアパートオーナーの責任と判断されると思います。
(勿論、アパートオーナーは建築請負業者に損害賠償責任をもとめることになりますが)
想定できない事故は保険で対応しましょう
今回の事故のように大家さんからすると予測できませんし、不可抗力な事故とも言えます。
事故のリスクを低減するには、保険の活用しかありません。
以前のブログ記事でもご紹介しましたがこれらの事故を対象とした保険もあります。
既に加入している大家さんもいると思いますが、「施設賠償責任保険」というものです。
「施設賠償責任保険」は、経営しているアパートやマンションの欠陥や管理不備により他人にケガを負わせてしまった場合や他人の物を壊してしまった場合に支払うことになる損害賠償額等を補償してくれる保険です。
賃貸物件を購入される際に必ず入るのが火災保険や地震保険ですが、「施設賠償責任保険」も必須の保険としてお勧めします。
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