沈黙の螺旋
先月初旬に菅首相が「コロナワクチン 1日100万回の接種を目指す」と大号令をかけ、大規模接種を進めて1か月強、その目標も今週中に達成できる見込みです。
コロナワクチンの接種が進むイギリスやアメリカ、イスラエル等の状況からワクチンの効果は疑いようがありません。
巷ではいつ接種できるのかという一点に注目が集まり、接種しない選択肢はないといった空気が醸成されています。
沈黙の螺旋仮説
ドイツの政治学者エリザベート・ノエレ=ノイマンが提唱した理論に「沈黙の螺旋」というものがあります。
社会的動物である人間にとって孤立することは本能的に恐怖を感じます。
ある意見の対立がある場合、多数派は自らの意見に自信を持ち、一方で少数派は自らの意見によって孤立することを避け、沈黙しがちになります。
そうすると、多数派の意見がどんどん大きくなり、少数派はさらに沈黙するといったループが繰り返され、最初に存在した両者の差が時間の経過と共に大きな差になり多数派形成が進むといった現象です。
沈黙が螺旋のように一つの意見(多数派意見)に収斂される様子を「沈黙の螺旋」と現したようです。言い換えると同調圧力とも言えますね。
日本は同調圧力の強い国と言われますが、古今東西、日本に限らず人間社会にはこのような傾向があるということですね。
コロナワクチン「NO!」ってあまり聞きません
“史上最速で開発されたワクチン”、“世界で初めて実用化されたmRNAワクチン”ということで安全性に不安を持つ方も多くいるようです。
Yahooで「コロナワクチン」と検索すると検索候補に“副作用”、“不妊”がトップに上がってきます。コロナワクチンを受けたくない方も潜在的にはそれなりにいるのではないかと思います。
実際、(因果関係は認められておりませんが国内で)ワクチン接種後に亡くなられた方が190人以上いるようですし、副作用もそれなりにあるようで100%安全とは言い切れないのが実情だと思います。
でも、「私は打たない!」という声はあまり聞きません。
また、反対派の報道もほとんどない感じです。
この状況は日本のみならず、世界中で見られます。
“稀な事故”や“副反応の負荷”があるとしても“得られる社会的利益”の方がはるかに大きいということだと思いますが、「沈黙の螺旋」によって“接種が当たり前”といった空気が醸成されているように感じます。
反対派の意見が抑圧されているようにも見えます。
コロナワクチンを否定しているわけではありませんが・・・
ネット上でコロナワクチンの安全性について様々な医師の見解を見ることができますし、接種の進んだ他の国の状況を見ればワクチンの安全性は高いと感じます。
(勿論、私はコロナワクチンの接種を希望しております。)
しかし、日本の医療の歴史を振り返れば多くの被害をもたらした薬害事件が起きたことも忘れてはならないと思います。
詳しくはこちらへ ⇒ 「薬害を学ぼう」厚生労働省
悪魔の代弁者
「沈黙の螺旋」を提唱したノイマンは、この状況を克服するためには、多数派に反対するような主張を行う「悪魔の代弁者」を置くことが重要だと言っております。
少数派が意見を出しづらい状況になると、議論が機能しなくなり多角的な視点が欠落し、建設的な思考ができなくなります。
妄信的に賛成するという状況は危険ですから、少数派の中に反論する者(悪魔の代弁者)を置き、少数派が意見の出しやすい状況にして、議論に深みをつけなければならないということです。
若い人にワクチン接種は必要か
現在、ワクチン接種の年齢制限は12歳未満となっております。つまり、中学生以上は皆接種という流れです。そして、先々、さらに低年齢でも接種可能になると思います。
最近は若い方でも重症化するケースが増えたと耳にしますが、それでもこのコロナ感染症は若い方にとって重症化リスクは低いものです。
ワクチンの接種は他人への感染を防ぐ目的もあると思いますが、ワクチンを接種しても感染する現実をみれば、ワクチンは最終的には身を守るものと解釈できます。
ワクチン接種が自身を重症化させない為に行うものと考えれば、若い人に接種は不要と考えることもできると思います。
つまり、重症化するリスクと接種によるリスク(事故・副反応、長期的な安全性等)を考えれば摂取しないという選択肢もあるのではないかと思います。
現在、国内の20歳未満の人口は全体の18%程度になっておりますが、仮に20歳未満を非接種としても集団免疫が成立するのではないでしょうか。
ワクチン接種が当たり前の風潮の中で反対派の声があまり聞こえてきません。
どこかで「悪魔の代弁者」が現れ、ワクチンの是非についての活発な議論を聞きたいものです。
そうすれば、私が抱えるモヤモヤが晴れるような気がします。
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