【幕張本郷の不動産社長経験40】相続物件の売買
「相続人が女性5人共有の宅地」を地上げして欲しいと当社既客の事業主からの依頼有りました。その事業主は過去に2度地元の不動産業者、大手の不動産業者に依頼したが不発に終わっていました(契約後にそうだったと教えてくれました)。
物件調査➡所有者意思確認
買主から購入の委任状頂き➡役所、法務局、上、下水道、ガス会社にて基本調査➡5人の相続人にお手紙送付➡4~5日後に会社から近い順に訪問する➡1人は地方在住でしたので最後に予定する➡新京成線沿いに1人、京成本線沿いに3人居住しておりました➡最初に京成線沿いの1人の自宅に訪問しました、家の中に入れって貰い2時間近く今迄の経緯のお話を聞くことが出来ました➡もう1人の京成線沿いの自宅訪問しました、玄関でのお話でしたが長女に私は任せているので長女がOK出せば私も従うとの事でした➡新京成線沿いの長女宅訪問(樹木も沢山植樹して有る大型団地でセミが一杯鳴いていましたので1匹捕まえてワイシャツの中に入れて訪問)したら、まあお上がりなさいよと言って冷たい麦茶出してくれました、ワイシャツの中でセミが鳴くのを聞いて面白い人ねと約1時間くらい今迄の経緯のお話しを聞くことが出来ました、更地にして放置してある「物件の売却には協力する意思有る」事を確認できました。
5人が「2人対3人」の派閥あり
何回か訪問している内に、協力はしない訳ではないがスッキリしない部分が有る、と言い出したのは両親と一緒に住んで最後まで面倒見たのにその件は全く考慮に入れないで売買金額の1/5づつの分配を譲らない2人がいる件は納得いかないとの事でした。そして又長女側の2人と他の3人が派閥を作っていて綱引きを繰り返しているのでなかなか前に進みませんでした。
派閥のリーダー2人に絞る
かなり煮詰まってきたのでそれぞれのリーダー2人に的を絞り交渉する事にする。まず最初に3人のリーダーの処に行きこのままでは前に進まないので、「今回この話がこじれて前に進まないと今後売買の話がまとまる事は難しくなると思います、なぜかと云うとこのような状況では仲介業者は手を引き辞めた」となる事が多いので。今回私がここまでしているのは当社の顧客のたっての頼みだからであってそうでなければやる必要が有りません。肚を割って話してくれませんか?そうでなければ私もいつまでもやっていられませんのでと話して、ようやく今迄のしこりは水に流して契約に協力をする事を約束してくれました。後の2人はリーダーが説明するので良いとの事でした。今度は2人のリーダー宅に訪問して3人は了解したので契約に協力してくれますか?と云うと「え~本当にOKしたのね?それならこちらの方もOKですよ」とようやく前に進むことになる。
契約➡決済同時にやる
5人の相続人の内4人は千葉県内でしたが1人は地方に住んでいました、契約と決済の2回千葉まで来て頂くのも恐縮でしたし2回の日程調整も大変だと判断したので、契約、決済を同時に金融機関の応接間をお借りしてやることにしました。相続物件で担保はついていなかったので5人の日程を綿密に調整して日時を決め、事前に各人の住所に重要事項説明書と契約書を郵送してお目通しして貰っておきました。疑問な処や詳しく説明をして欲しい処は付箋付けて来て下さいと言っておきましたので、契約時の重要事項説明書、契約書の読み合わせが終わった後は3点位の追加説明で済みました。重要事項説明書と契約書に売主5人の署名押印、買主の署名押印した後は、すぐ司法書士が売主の権利書確認、そぜぞれの印鑑証明書確認、5人分の所有権移転の委任状に署名押印頂き、買主の必要書類に署名押印頂き、金融機関の抵当権設定の書類確認してこれで買主、売り主の書類は全部揃いました。➡金融機関は5人のそれぞれの指定振込口座に至急で送金して売買の取引は終わりました。署名押印後の重要事項説明書と契約書を金融機関に5人分と当社の控え分をコピーして頂き各人に表紙を付けて綴じた重要事項説明書と契約書を渡して終了となる。
契約、決済同時完了後買主感想
金融機関応接室で待ち合わせて5人揃った時点で買主、売主に重要事項説明書と契約書の読み合わせ➡署名押印➡司法書士書類に署名押印➡送金➡契約書受け取り➡解散するまで5人がそれぞれ思い思いに最後までしゃべっているのを見ていたので、「本当にお疲れ様、ハイ手数料と気持ち良く渡してくれました」。買主は冗談交じりに私が見つけてきた物件なのだから本来は売り主だけからの手数料で良いのでは?と笑いながら言ったので、本来なら手間暇は通常の取引の3倍かかっているので手数料も3倍貰っても良いくらいですね?と言って買主と大笑いしました。
地元の不動産会社2社と大手不動産会社が纏め切れなかった物件を当社が纏め契約出来た事に対しては、既客に流石だね社長と喜んで貰ったのも嬉しかったですが、やり遂げた満足感と何物にも代えがたい自信にもつながった思い出深い取引でした。
このお客様には当社の建売物件と八千代地区の新築物件の買主を紹介頂き契約になっております、「感謝、感謝です」。
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