人口動態から見る不動産の未来(その①)
経済予測や会社の業績予想、株価の予想、果ては競馬の予想等々未来を予測する機会は多くあります。ただ、大抵の場合は大きく外れます。しかも予測のスパンが長くなるほど当たらなくなり、経済予測でも5年後や10年後はもはや占いの類になりますね。
しかし、ほとんど外れない長期的な予測があります。それは人口予測です。将来推計人口や将来の人口構成などは非常に正確にあたります。
それ故に今後の人生(弊社であれば営業戦略)を考える上で、この要素は考慮していく必要があると考えます。
今回はほぼ約束された将来の人口予測とそれに影響を受ける不動産について考えてみたいと思います。
驚異的な予測精度の人口予測
1963年、国連は約40年後の2000年の世界人口推計を61億2973万人と予想したそうですが、結果は61億2412万人でした。推計と実際の差が0.09%と誤差の範囲で収まっています。これは人口の予測精度が驚くほど高いことを示す一例です。
人口の予測は、『出生』・『死亡』・『移動』のわずか3つの“変数”で導きだすそうです。出生率も死亡率も大きく変動することはあり得ません。『移動』に関しては将来的に大きく移民を受け入れたりすれば多少の変動はあるかもしれませんが、大きな影響を与えるほどの変動は起きないと考える方が現実的です。
いずれにしましても少ない変数で導き出すからこそ、将来人口の予測精度は高いと言えます。
人口減少は約束された将来
日本の将来推計人口は国立社会保障人口問題研究所(以下IPSS)という厚生労働省の外郭団体で公表しております。⇒URL:http://www.ipss.go.jp/
ご存じの通り日本の人口は既にピークアウトしております。2008年(1億2808万人)にピークアウトしていますので、人口減少時代に入って10年以上経過しているんですね。
2019年9月1日現在、日本の人口は1億2615万人です。現在の出生率や死亡率に大きな変化がなければ2050年頃には1億人を切り、今から45年後の2065年には8,800万人(中位推計)になると予想されています。そして、今からおよそ80年後の2100年には5,000万人まで減るそうです。
因みに、弊社の営業エリアである千葉市花見川区、稲毛区、美浜区の将来人口推計は以下の通りです。千葉市も総じて減少傾向です。ただ、船橋市、市川市、浦安市等東京に近いエリアは人口減少の速度が遅いと言えると思います。東京へのアクセスが良いか否かという観点から今後は地域間格差が相当激しくなるのと考えられます。
首都圏ともいえる弊社の営業エリアでも人口減少の波は等しく襲ってくるということです。
人口減少は問題ない!?
ところで、日本の人口問題はどの程度深刻なのでしょうか。
人口は国の経済規模に直結しますので単純に人口減少は経済規模の減少を意味しネガティブな要素です。しかしながら、世界に目を向けてみますとEU最大の国力を有するドイツは人口8,300万人(2019年)です。イギリスは6,643万人(2018年)、フランスで6,281万人(2017年)です。世界幸福度ランキングで1位のフィンランドに至っては人口500万人程度の規模です。50年後に日本の人口が8000万人規模になることは約束された将来ですが、世界の他の国の人口と比較するとそれほど悲観する規模ではないと思います。
その国の幸福度は人口に比例するわけではありませんから日本の人口問題は大した問題ではないのかなと感じる方もおられかもしれません。
が、しかし、そんなことはなく日本の人口問題は相当深刻です。
実は日本の人口問題の本質は急速な高齢化にあります。
⇒明日のブログに続きます。
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