【幕張本郷の不動産社長経験65】不動産売買の失敗例③
JR線沿いの2棟現場
15年位前の建売2棟現場でした、奥の建物は建築途中に近くの分譲マンション所有している1級建築士の御主人がたまたま私が現場に行っている時に現地に来て中見てもよいですか?と言うので「良いですよと中を見て頂きました」、次の日奥様から「主人に現場を見てきなさいと言われた」との事でしたので内見して貰いました。
外断熱、魔法瓶の家が珍しい時期
色々な建築現場を主人が一人で見て歩いていたが私に見てきなさいと言ったのは初めてだったとの事でした。奥様は建物の内容は良く分からないが1級建築士の主人が気に入ったので私にも見せてOKなら話を進めようと考えている模様との事でした。秋が深まり外は寒いくらいでしたが、「建物の中はサッシ、ドアが付いていた時期でしたので外断熱の効果で暖房入れていたわけでは有りませんが暖かく感じられました」。一般の家と比べてなぜ暖かいかは、「建物全体をウレタン系の断熱材ですっぽり包んでいるから外気の冷たさをシャットアウトしているから外より暖かいのです」と説明して納得して頂きました。
外断熱の家の良さを確認して契約と成る
奥様が見てから5日位の間に当社で土地付き建物の契約をして頂き、建物工事も順調に進み1級建築士の御主人は近くでしたので毎週のように工事の進行状況と仕上げ材の内容を確認し満足して12月末には予定通り建物完成し土地建物の決済を完了しました。
公道側の建物に縁あった人
2棟現場の奥の方は建築中に売却済みになっていたので、引き続き手前も建売住宅として建築にかかりました、建築途中の夕方にご夫婦で車で現場に来て見ていった人がいましたが急いでいたみたいだったのと暗くなりかけていたので、又明るい時にゆっくり見に来て下さいと名前も聞きませんでした。
公道側「魔法瓶の家完成」
建物完成したので土、日、オープンハウスを開催しました。現場周辺と近場にチラシを撒いて待機しておりましたら午後3時頃奥さんと奥さんのお母さん、子供が現地に車で来て内見していました。奥さんの義母が「絶対こっちの家が良いわよと何度も1階と2階を往復しながら云っていました」、理由は「①車が並列で2台止められる(手付金50万円打っている方は駐車1台がギリギリで自転車の置き場もない)②庭も広いし自転車を3台くらい止めても未だ庭に余裕ある③建物も向こうより住宅設備やクロスの材料等仕上りも絶対良い④価格も200万円近く安い。とお母さんは娘の奥さんを説得していました。
車に待機してた息子(主人)を呼んで来て
義母に言われて奥様は主人を車から連れてきました、喧々諤々親子で話していましたが結果として①「戸建てを買って駐車場を1台分借りるのは経済的に負担が大きい(どうしても2台駐車スペース必要な家族)②自転車を置くスペースもほとんど無い(自転車3台有り)③JR駅徒歩6分が13分になったとしても総合的にこっちが良いと決まりました。よくよく見ると顔を見たことあると思ったのでご主人に聞いたら建築途中の夕方来ていた夫婦でしたが、他の現場に手付金を打った後なので諦めていた様子でした。
奥さんの嘘泣きに騙される
ご夫婦2人も母親も全員が本当は当社の建売が気に入っていたのですが、先に他の現場に50万円手付を打って住宅ローンも下りていたので、当社の建売に乗り換えると手付金を捨てなければならないのが悔しいと決断が付かないでいました。そうこうしている内に「奥様が突然泣き出しました」冷静に考えると当社の方が総合的に絶対良い事は分かっていても50万円を捨てる事が悔しいしお金もないので売買価格を50万円値引きして欲しいと泣きながら訴えてきました。少し考えましたが、かわいそうになり50万円値引きする事にして契約、決済まで終わりました。
引き渡し後、2ケ月過ぎ建物前を通る
物件引き渡し後近くの現場寄った帰りに引き渡し建物前を通ってびっくりしました。「庭のブロック塀3段にはレンガ調タイルを新たに張り、庭にもかなりお金をかけて整備していました、お金が無いと嘘泣きをして値引きさせられたが騙された?」と思いながらも「お客様の言う事をそのまま信じた結果で」授業料払って勉強になった取引でも有りました。
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