withコロナの世界を考える
4月7日に7都府県に緊急事態宣言がだされ、16日には対象地域が全国に拡大されました。
“人との接触8割削減”を奨励する政府の声もむなしく目標を大きく下回る見込みです。
緊急事態宣言の解除は5月6日としておりますが、解除できるのか不透明です。
そもそも緊急事態宣言自体、不明瞭な基準で出していますので解除の基準もありません。
結局は感染者数や死者数の推移と世論の反応うかがいながら・・・という感じだと
思います。
この新型コロナウイルスの感染拡大は、現在の日本や世界の情勢を見ると短期的な終息は
難しいと考える方が妥当な判断です。
だとすると、そろそろ、コロナウイルスとの共存を考える時期に差し掛かっているのかも
しれません。
ウイルス撲滅VS経済再開
新型コロナウイルスの治療薬やワクチンについては複数の創薬会社の薬が効果を上げてい
るとニュースを耳にしますが、これらの薬がしっかりと検証されて広く普及するのに最低
でも1年以上の期間がかかるようです。
では、1年や1年半も自粛ムードを続けていけるのでしょうか?
最近、感染拡大の激しかった中国、欧州や米国では一部の地域で外出禁止の解除の動きが
チラホラ聞こえてきております。“経済を再開させないと外国企業に取って代わられ、
労働者が食べられずに死んでしまう” という産業界の声もあるということです。
日本でも来週から上場企業の決算発表が本格化し、多くの企業の下方修正を目の当たり
にするでしょう。また中小の飲食業等の倒産・廃業が連鎖的に起これば「このままで良い
のか」という論争が起こると思います。
今後、“ウイルス撲滅VS経済再開” という構図があらゆる局面で現れ、政治的に非常に
難しい判断を迫られてくると思います。
最終的には経済優先になるのでしょうか
外出自粛をすることでこの感染症の拡大はある程度抑制されております。
ただ、南米や東南アジアの感染拡大を見ると夏場に終息というシナリオは期待薄ではない
でしょうか。
経済を止めるということは人によっては「確実に生活が破綻」することを意味する一方
で、新型コロナウイルスは「8割の方は軽症」ですむと言われます。
どちらも避けたいのは当然ですが、乱暴な意見を言えば究極的には新型コロナウイルスと
の共存という方向に押し切られるように感じます。
(PCR検査ではなく)抗体検査が進むと徐々にこの感染症との共存にコンセンサスが醸成
されていくのではないかと思います。
withコロナの世界とは
数年後には元の生活に戻ると信じておりますが、1~2年はコロナウイルスとの共存を考
える必要があると思います。その世界におけるルールは1つです。密集、密接、密閉の
回避。
人との距離を確保することが前提となり、産業界はこのルールにアジャストしていく必要
に迫られるのではないでしょうか。
従来の価値観が大きく変わることで産業界においては意外な優勝劣敗があるかもしれませ
ん。
不動産業界ではどうでしょうか。
不特定多数と場所を共有するシェアリングエコノミーは停滞するでしょう。
売買にしても賃貸にしても物件の内見案内は不可欠ですが、車で案内(密閉)して近い
距離で会話(密接)することを避けるため、スマートロック(スマホで開錠、施錠)を
利用したセルフ内見(お客様単独で内見)やヴァーチャルリアリティ(VR)技術を利用
したネット上の疑似内見が今後のスタンダードになるかもしれません。
また、契約手続きにおいてはIT重説が普及する切っ掛けとなるかもしれません。
いずれにしても、「FAX」が未だに幅を利かせるアナログな不動産業界にIT化の波が押し
寄せることになると思います。
以前のブログでも書きましたが、最悪を想定しながらもいずれ元の世界に戻ることを信じ
て、視野を広く持って進んでいきたいと思います。
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