斜面崩落事故! 逗子市マンションのその後
以前記事にしました斜面崩落事故が起きた逗子市池子マンションに動きがありました。
少し前の話になりますが、遺族側が損害賠償を請求したようです。
斜面崩落事故の概要
2020年2月に神奈川県逗子市池子2丁目にあるマンション敷地の斜面が崩壊、通行中の方がお亡くなりになるという痛ましい事故が起きました。
崩れた土砂の重さはなんと約70t近くに達していたそうです。穏やかな晴れた日に突然起きた悲劇的な事故でした。
事故原因は3月に国土交通省国土技術政策総合研究所が最終報告を発表しております。
それによりますと、直接的な引き金は不明としつつも風化が原因との見解です。
現在、現場斜面は、市が安全確保のための応急的な工事を実施していますが、今後の本格工事を含めた費用負担については市と所有者(マンション区分所有者)が協議しているようです。
お亡くなりになった方の遺族が損害賠償を請求
お亡くなりになった方の遺族が国土交通省国土技術政策総合研究所が発表した最終報告を踏まえ、崩落を防ぐための安全性を確保していなかったことが事故の原因として、マンション区分所有者(約40世帯)に対して1億1,800万円の損害賠償を請求したようです。
どのような決着となるかはわかりませんが、事故原因が地震や風雨ではなく“風化”と第三者機関が結論付けているため、マンション側に相応の責任が問われることになると思います。
ある日突然の悲劇
事故の現場となった斜面は2011年に県が「土砂災害警戒区域(急傾斜地)」に指定していますが、行政側で具体的な指導を行っていなかったようです。
当該マンションの区分所有者からすれば、危険な斜面であったことも、事故を起こす可能性があったことも認識していなかったかもしれません。
被害者遺族の悲しみを考えますと心が痛みますが、一方でマンション(区分)所有者も思いがけない事故で相当なショックを受けたと察します。
また、ご自身の住まいのそもそもの安全性に対する不安も抱えることになるのではないでしょうか。
不適切な見方かもしれませんが、資産価値という点でも厳しい状況になると予想されます。
不動産に対する視点
不動産を購入される際に最も重視されるのが立地です。
ただ、その立地は、最寄り駅、駅徒歩、或いは接道条件や陽当りを重視される反面、安全性への視点がやや欠落していることがあるように感じます。
勿論、不動産における安全性が未だ不動産価値に反映されにくいという価格形成プロセスが背景にあるわけですが、昨今の異常気象により自然災害による不動産(土地・家屋)への影響が注目され始めております。
今後は不動産を選ぶ際に今以上に安全性が重視されてくると思いますが、そういった情報は地元の不動産会社がよく把握しているもので、不動産をお探しの際には地元の不動産会社も利用されるべき...と弊社の宣伝もしておきます。
関連した記事を読む
- 2024/10/05
- 2024/09/28
- 2024/09/21
- 2024/09/15